1 開催日 令和6年8月6日(火)、7日(水)9:30~16:30
2 会 場 浦安市立美浜中学校 [技術分野]1階 技術室、3階PC室
[家庭分野]2階 調理室、被服室
3 内 容
(1)技術分野
「手工具・機械の使用法及び保守点検(木箱の製作、加湿器の製作)」
「計測・制御の指導法と評価(Beauto Builder Rの利用)」
(2)家庭分野
「裁縫の基礎・ミシンの使い方・実践(トートバッグの製作)」
「調理の基礎・実践(豚肉の生姜焼き、胡瓜の塩昆布和え、味噌汁、防災ご飯)」
「消費生活の授業紹介等」
■ 技術
1日目に木箱の製作を行い、2日目は午前中に木箱の塗装及び加湿器の製作、午後に計測・制御に関する研修を行った。
木箱は12ミリ厚の210×600の材と150×1000の材から“中に入れたい物”や“製作した箱を収納する場所”などから形状やサイズを自分で考え、製作する題材である。会場の美浜中学校の生徒も実際に製作している題材で、設計によってはかんなを使用し、丁番の取り付けにのみを使用するなど、多様な加工の技術が必要である。現行の指導要領は、設計や評価改善に重きを置いており、製作の時間を減らす題材を選んだり、仕上げにこだわらなかったりする風潮があるが、指導者の技能向上を目的とした本研修において、有用な題材であったと思う。
私見ではあるが、機械を増やしたり、治具を用意したりするなど、技術室の整備や工夫で時短を図り、指導要領に準拠しながらこれまでのような“達成感のあるものづくり”ができるような技術室整備が進むよう、美浜中の整備状況が参考になれば幸いである。
加湿器の製作では講師の先生方が作製したスライドや動画を見たりしながら、はんだづけやドライバーの力の加え方などのポイントが細かい説明があった。比較的火傷の怪我が多く出やすい作業のため、安全に作業を行わせる一助になったと思う。
計測・制御についてはBeauto Builder Rを利用したプログラミングの研修だけでなく、講師陣が実際に使用しているwebサイトや教材の紹介もあった。プログラミングについては様々な教材が乱立し、なにをどう指導すればよいのかわからないとの声もある中で、若年層や免許外指導者の方々にとっては、有益な情報源となったのではないだろうか。
■ 家庭科
1日目のトートバッグの製作では自作の動画や作品の段階見本など、説明資料が非常に充実していた。動画は従来の生徒の前で手本を示す指導よりも、大きく鮮明に視覚に訴えることができ、さらに落ち着いて補足説明を入れられるため、技能の指導に大変役立つことがわかった。作品完成後は互いに見て回って評価し合う活動があり、この時間が設定されていると、より達成感や成就感を味わわせることができると思う。
2日目の調理実習では基本的な流れや用具の取り扱い方、技能に加え、加熱で肉が縮むことなど、座学で学んだことを実習の中で確認するなど、実践的・体験的な活動を通して学ぶということがよくわかる講義であった。午後の消費生活に関する授業紹介では、講師の先生方が実際に授業で使用している動画やウェブサイトを紹介していただいた。
いずれの内容においても基礎的な内容に加え、生徒の反応や動き、評価方法やその資料についても説明があり、2学期以降、さまざまなところで活用されることが期待される。